- 研究内容 -

インターネットで扱われるメディアがテキストから音声、静止画、動画と多彩になり、また利用者が広がるにつれ、快適なコミュニケーション環境を提供する大容量・超高速ネットワークの実現が大変重要になってきている。超高速光通信技術はその要請に応える中核技術である。本研究分野は、このような状況に鑑み新設された分野であり、光・量子エレクトロニクスをもとにして、超高速光通信の基盤となる超短光パルス発生・伝送技術、ソリトンを中心とする非線形波動技術、超高速レーザ技術、光信号処理技術の研究を行い、21世紀のグローバルな超高速光ネットワークの構築を目指している。

 光ソリトン通信に関してはファイバ伝送路に分散マネージメントを施すことにより、群速度分散のトレランスとパワーマージンが従来に比べて大幅に改善されることを示してきた。今後、1チャンネルの伝送速度を100 Gbit/s以上に増加させること、ならびに高速光信号処理への応用が研究課題である。

 フェムト秒光パルスの発生およびそれを用いた光時分割多重(OTDM)超高速伝送の研究にも力を入れている。我々は新型のモード同期ファイバレーザを提案し、光ソリトンパルス圧縮技術と組み合わせて10 GHzで100 fs 以下のパルス列を発生させ、さらに1.28 Tbit/s ‐70 km のOTDM 伝送を世界で初めて実現してきた。また、高安定なモード同期レーザはその縦モード間隔が新たな周波数基準になり得るためその方面への応用も探求している。さらに光ファイバの断面内に空孔を沢山もうけたフォトニック結晶ファイバの開発とその光通信への応用を目指して研究を進めている。

1. 超高速光ソリトン伝送・非線形光学効果に関する研究
2. フェムト秒光パルスを用いた時分割多重テラビット伝送に関する研究
3. 超短パルスモード同期レーザと周波数標準・光マイクロ波領域への応用
4. フォトニック結晶ファイバならびに新機能性光ファイバの研究

↑TOP